来年度、商学研究科と国際企業戦略研究科(ICS)を統合して経営管理研究科が新設される。現在国立キャンパスと千代田キャンパスで行われているMBA教育も統合され、千代田キャンパスにおける実務経験者のMBA教育が拡充される。国立キャンパスで開講される経営分析プログラムは実務経験のない人も出願できるが、募集人数は現在国立キャンパスで講義を行っている商学研究科経営学修士コース(HMBA)から半減する。
また、両研究科の統合にあたり、HMBAの在学生向けに移行措置が設けられることが学生への取材でわかった。10月末に行われた学生向け説明会では、全体として大幅な講義数の増減はなく、在学生は千代田キャンパスの講義も履修して単位を取得できることが伝えられた。
説明不足に疑問の声
今年度入学者に対しては4月、「MBA教育統合に伴う講義の再編により来年度からは国立キャンパスでの講義数が年間約10科目減るが、千代田キャンパスでの講義は原則受講できない」と説明があったという。また、廃止されるおそれのある講義は今年度中に履修することが推奨された。これについてある学生は、「HMBAの授業は一つ一つが大変なので、今年度中にすべて履修するのは難しい」と話す。
4月の説明を受けた学生は「入学前からICSとHMBAのすみ分けは分かりづらかった。統廃合によって、授業の質や外部からの評価が高くなるのはよい」と好意的に統合を受け止めたという。一方で、入学前に講義数削減の説明がなかったこと、講義数が削減されるにも関わらず同額の学費を払わなければいけないことなどに対しては疑問の声が上がった。
4月の説明会以降は学生に情報が公開されなかったため、HMBAの学生らは9月末、院生自治会に商学研究科への働きかけを要請。院生自治会がメールで学生への説明を求めたところ、10月末に説明会が行われ、移行措置についての説明があった。
院生自治会への要請に関わった学生は「学生の要請を受けてようやく説明が行われるというプロセスへの違和感は残るが、在学生のことを考慮してくれているのは伝わった」と話した。ただ、削減される可能性のあった講義を詰め込んで履修した学生も多く、「せめて秋冬学期の履修登録前に説明があればよかった」という声もあった。